出産・育児関連の手続きまとめ(その3)

出産・育児関連の手続きについて、今回は「復職後の手続き」です。

平成21年6月に改正された「育児・介護休業法」では、3歳までの子を養育する労働者に「短時間勤務制度(1日6時間)」を設けることが義務づけられました。

この改正法は、100人以下の中小企業にも、平成24年7月1日から適用となっています。

「短時間勤務制度」はいろいろとバリエーションがあってもいいのですが、「1日6時間」という勤務形態を入れることが必須なんです。

働く親にとって、両立支援という点では確かに有難い制度なのですが、いろいろと考えさせられる問題もはらむ制度なんじゃないか、とも思います。「女性が活躍する職場」「働きやすい職場」って何?を考えたときに、「子育て支援」は「手厚ければ手厚いほどいい」とも個人的には思えません。

 

とは言え、この「短時間勤務制度」、中小企業でも利用する社員さんが増えてきました。

 

1.「短時間勤務制度」利用で給与が下がったら!?

働く時間が短くなったら、その労働時間に応じて、給与をカットすることは違法ではありません。

多くの会社では、短時間勤務になった場合、その短くなった時間分、給与が下がります。
仕事の成果を考えたときに、単純に時間単価で図るのはおかしい、とも思いますが、現行の日本の労働法ではそうせざるを得ない部分があります。

 

さて、給与が下がり、社会保険料の等級が1等級以上下がったら、標準報酬月額を変更できます。

 

育児休業終了日の属する月以後3か月間に受けた給与の平均で見ます。
通常の月額変更は2等級以上の差が出来ないと変更できませんが、「1等級以上」で変更可能です。
ただし、実際に社会保険料が安くなるのは、給与が下がって「4か月目」からになります。

 

健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届」というものを会社を経由して、年金事務所へ提出します。

 

2.将来もらう年金を「お得に」する方法がある!?

上記のように、「短時間勤務制度」により給与が下がり社会保険料が下がると、将来の年金の計算のもととなる「標準報酬月額」が下がってしまいます。

そこで、短時間勤務等の利用によって、将来もらう年金が不利にならないように、子どもが3歳になるまでは、「子どもが生まれる前の標準報酬月額」で将来の年金を計算してあげましょう、という特例があるのです。

支払う厚生年金保険料はダウンした給与に応じて安くなるのに、将来もらう年金の計算はそのまま、という「お得な」制度です。

 

実はこれ、「短時間勤務」でなくても、給与がダウンしてしまったら使えるのです。例えば、子どもが生まれる前は残業などが多くて標準報酬月額が高かった、とか、職務が変わって給与がダウンした、とか、理由は特に問われないので、とにかく届出さえしていれば、子どもが3歳になるまでは従前の標準報酬月額で年金を計算してくれます。

被保険者が男女どちらでも届出が出来ますし、産休とか育休取得の有無も関係ありませんので、パパさんの届出もOKです。

 

厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」という書類に、「戸籍謄本(戸籍記載事項証明書)」と「住民票」を添付して、会社を経由して提出します。

 

会社を退職してしまった人も、子どもが3歳になるまでなら提出できます。その場合は、本人が直接、会社を管轄する年金事務所へ提出してください。

 

 
さて、3回にわたって、出産、産休、育休、復職後に必要な会社手続きについてまとめました。
けっこうたくさん手続きがありますし、給付金など本人の収入に直結する手続きですので、確実に、漏れがないようにしたいものです。

スケジュール表やチェックリストなどを作って、会社側と本人とお互いに確認し合うのが良いと思います。