出産・育児関連の手続きまとめ

公益財団法人 日本生産性本部から「第7回 コア人財としての女性社員育成に関する調査」結果概要というものが発表されました。

平成28年4月から、労働者301人以上の大企業は女性活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられますが、女性活躍推進法への対応について「課題がある」と回答した企業は72.1%だったそうです。

「女性活躍推進法」には個人的には違和感もあるのですが、女性が活躍できる環境を整えていこう、という大きな流れが出来ること自体には賛成です。「女性の活躍」を推進していくことは、女性だけの問題ではないし、男性も含めた日本社会の働き方を変えていくことだと思います。

 

 

さてさて、大きな問題はさておき(笑)
みなさんの職場ではいかがでしょうか?

10年前ぐらいに比べて、中小企業さんでも「結婚」「妊娠」「出産」「産休・育休」を経て、仕事を続ける女性が増えてきたのではないでしょうか?
中には「当社で初の育児休業取得者!!」ということで、「女性活躍推進法」うんぬんよりも、当面の対応に苦慮されている企業も多いのでは?と思います。

何においても「当社“初の”」というのは、本人はもちろんのこと、周りもプレッシャーを感じますよね。
今回から数回にわたって、「初めて」さんのための、出産・育児に関連する“会社手続き”をまとめてみたいと思います。
150705260810_TP_V1

 

 

1.「育児休業規程」ほか、「就業規則」をもう一度見直してみよう!

まずは「育児休業」に関する規程がきちんと備えてあるか、チェックしてみましょう。

「当社には今まで対象者がいなかったから・・・」ということで、きちんと整備がされていないかもしれませんが、「休暇」「賃金」「労働時間」にかかわることですので、ルールを定めておくことは必須となっています。

100人以下の中小企業さんも、平成24年7月1日より「短時間勤務制度(1日6時間)」の義務化など、改正法が適用されています。
改正法に対応ができているかどうか、もう一度チェックしてみましょう。

改正・育児(介護)休業法についてはこちら

 

また、妊娠中の措置についても、ルールが定めてあるか確認してみてください。
妊娠中の軽易業務転換、危険有害業務の就業制限、時間外・休日・深夜労働の制限などが労働基準法で「罰則つき」で定められています。
妊娠中や産後の健診などについては、男女雇用機会均等法において「母性健康管理の措置」として定められています。
現実には、悪阻や切迫早産など、会社としても対応しなければいけないケースが多々あります。
健診で休んだ日の賃金はどうするのか?軽易業務に転換したら、賃金はそのままでいいのか?など、ルールを明確にしておく必要があります。

 

 

2.産前・産後休業

労働基準法では、産前6週間以内(双子以上の場合は14週間前)の女性が請求した場合は、休業させなければなりません。
「出産予定日を含んで」42日前から請求できることになっています。
産前のお休みは、あくまで「女性労働者からの請求にもとづく」お休みです。
「私は出産ギリギリまで頑張りたい!」という女性を無理やり休ませる必要はありません。

一方で、産後のお休みは、女性労働者の希望にかかわらず、強制的なお休みです。
「出産日の翌日から」56日間は、就業することができません。
ただし、本人が希望した場合で、医師が支障ないと認めた業務については、産後6週間経過したら就業することができます。

産前休業は、出産予定日をもとに休みの開始日を決めるのですが、実際の出産日は前後することもあるかと思います。
予定日とずれても、出産日までが「産前休業」です。(早めの出産なら期間は短くなり、遅めの出産なら期間が延びます。)

産後休業は、実際の出産日の翌日から8週間です。予定日より遅めの出産であっても、産後休業が短縮されることはありません。

産前・産後休業、母性健康管理措置 等についてはこちら

 
 

3.産前産後休業中は社会保険料が免除されます

産前産後休業中の健康保険料、厚生年金保険料は、会社負担分、本人負担分ともに免除されます。

「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」という書類を、会社から年金事務所へ提出します。(組合管掌の健康保険の場合は異なる場合あり)

証明書などの添付書類は不要ですが、「産前産後休業期間中に」手続きをする必要があります。
産前は出産予定日をもとに届出をしますので、実際の出産日が予定日と異なる場合は開始日に留意してください。
 
 

4.産前産後休業期間中、無給の場合は「出産手当金」がもらえる

産前産後休業で会社を休み、その間給与が出ない場合は、健康保険より「出産手当金」というものが本人に支給されます。
支給額は、その社員の標準報酬日額の3分の2です。

一部給与の支払いがあった場合は、出産手当金より支払われた給与が少ない場合は、その差額だけが支給されます。

複数回に分けて申請も可能ですが、医師または助産師の証明が必要なため、出産後に(出産日が確定した後)第1回目の請求をする方が良いかな、と思います。(医師の証明がその後は省略可能になるため。)
事業主の証明は毎回必要ですので、複数回に分けて請求する場合も、会社を経由して申請してください。

 

健康保険より支給されますので、健康保険に加入していない人には出ません。
パートなどにより、健康保険はご主人の扶養に入っている人、国民健康保険に加入している人などは対象外です。
 
 

5.出産にかかった費用は「出産育児一時金」で

1児につき42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関等は39万円)がもらえます。

基本的には、「直接支払制度」(健康保険から医療機関等へ直接支払い、出産費用に充てる制度)を利用します。詳しくは、出産を予定されている医療機関等へお尋ねください。
実際に出産にかかった費用が42万円以内だった場合は、差額を健康保険へ請求できます。

 

 

と、、、会社におけるルール策定から、出産、産前産後休業まで、ざざっと会社で必要な手続きをピックアップしてみました。

次回は育児休業に入ってからの手続きです。